「思いつきはアイデアやない。実現して初めてアイデアや」。83歳の時、取材にそう語っていた=2011年、高知県四万十町の海洋堂ホビー館四万十、中島嘉克撮影

惜別 海洋堂創業者の宮脇修さん

 破天荒な悪ガキ少年。そんな表現がよく似合った。

 創業のエピソードがまず型破りだ。

 マグロ漁船の乗組員や土佐の一本釣り漁師など30数種の職を転々とした後、長男・修一さん(68、現顧問)の小学校入学を機に「定職を」と思い立ち、1本の木刀に運命を託す。うどん屋か、模型屋か。倒れた木刀は模型屋を示し、1964年に1坪半の模型屋「海洋堂」を設立した。

 「行き当たりばったりやったけど、いつも日本一になることを考えてきた」

 海洋堂はやがてフィギュアメーカーへ転身し、99年のお菓子「チョコエッグ」のおまけで一世を風靡(ふうび)し、食玩ブームを巻き起こした。

「80歳は夢みる小僧」

 小さな街の模型屋は、現代美…

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