肩に「がんばろうKOBE」の言葉を刻み、阪神・淡路大震災で傷つく神戸に勇気を与えた1995年のプロ野球オリックスのユニホーム。その復刻版を素材にしたお守りが誕生する。震災を知り、記憶と教訓を次代につないでいってほしいと、神戸の子どもたちに渡していくという。
白を基調にしたお守りは縦9・5センチ、横9センチ。中央に「がんばろうKOBE」の文字が飾られる。大阪市の服飾資材製造卸「モリト」が、オリックス・バファローズから使用済みの復刻ユニホームを預かって製作する。
服飾品のパーツを扱うモリトは、廃漁網を使った糸の製造などリサイクル事業にも力を入れる。球団からは「選手が使って廃棄する帽子を活用できないか」との相談を受け、パスケースに再生するなどしてきた。
震災から30年の節目となる今年、球団は神戸開催の試合で、優勝を遂げた95年のユニホームの復刻版を着用することを企画。全6試合が終わった後に、同社がそのユニホームをお守りに生まれ変わらせることになった。同社や球団が開く野球教室や環境教室に参加した神戸の子どもたちに渡すという。
震災では同社も神戸の拠点が被害を受けた。IR・広報部の太田雄大さんは「選手の気持ちがこもったユニホームでつくるお守りが、がんばる子どもたちの背中を押すとともに、震災を身近なこととして考えてくれるきっかけになってほしい」と話している。