プロ野球・阪神の2軍と、独立リーグの連合チームが27日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で交流試合をした。憧れの舞台で、独立リーガーたちが躍動した。
阪神は野球振興のために独立リーグとの連携強化を進めており、今回の試合はその一環。かねて人的交流がある日本海リーグの石川ミリオンスターズのほか、富山GRNサンダーバーズ、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスと高知ファイティングドッグスに声を掛け、実現した。
- ドラフト指名続出、独立リーグで突出する徳島 特徴的な育成メソッド
過去に独立リーグの主催試合や、阪神の2軍施設での対戦はあるが、甲子園を使うのは異例だ。独立リーグ連合には高校時代、甲子園と縁がなかった選手が多い。試合前の練習から「すげー、甲子園だ」「こんなに広いんだ」と目を輝かせた。
「この年になって(甲子園に)立つと思わなかった。野球を続けてきてよかった」。そう話したのは、徳島の山本倫彰だ。静岡・飛龍高3年だった2020年、新型コロナの影響で全国選手権大会が中止に。城西大に進み、今年、徳島に入団した。
新人ながら4番を任され、今季はここまで24試合で打率3割、2本塁打、13盗塁と存在感を示している。
この日は、3番・中堅手で先発出場。四回は、1軍でも実績のある左腕・伊藤将司から内野安打で出塁。中堅の守備も無難にこなした。
「真っすぐを一発で仕留められないとか、足りないところが見えた」と山本。「ドラフトで指名されて、次はNPB球団の選手としてここで活躍したい」と意気込んだ。
試合は2―1で独立リーグ連合が勝利。五回に内野ゴロの間に1点を先制。六回は4番に入った三好辰弥(富山)の中前適時打で1点を加えた。阪神が挙げた1点は、昨秋の育成ドラフト2位で高知から入団した嶋村麟士朗の右犠飛によるものだった。
独立リーグ連合を率いたのは、阪神から石川に派遣されている元捕手の岡崎太一監督。「阪神を相手にしても臆することなくやってくれた」と選手をたたえた。
阪神の平田勝男・2軍監督も「うちの選手にも刺激になった。交流も深まり、いい試み」と話した。
試合後は両チームの選手らがマウンド付近に集合。記念撮影で「特別な一日」を締めくくった。