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試合後に自撮りをする東日本選抜の選手ら=米田怜央撮影
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 (5日、全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園 西日本選抜3―0東日本選抜)

 まっさらなマウンドに立ち、緊張が一気に増した。

 「体がぎゅっとなった」

 東日本選抜の先発投手に抜擢(ばってき)された神奈川・三浦学苑の出口未来(3年)は、人生で初めて訪れた甲子園の空気に圧倒された。

 小学1年で野球を始めてから、軟式一筋。「硬式球が怖くて……」。高校ではチームのエースとして成長したが、「野球をやっていたけど、甲子園なんて頭の片隅にもなかった」。

 この選抜メンバーに選ばれ、ずっとわくわくしていたという。実際に甲子園の真ん中に立ち、周りを見渡した。

 「本当に広かったです。でも、意外と本塁まで近いような気もして、不思議な感じ。これが甲子園か、と」

 思うように腕が振れず、一、二回と走者を背負った。「ベンチから仲間が『出口いけー!』って応援してくれた。力が出た」。ピンチを乗り切り、2回無失点。最後は空振り三振を奪い、たまらず大きなガッツポーズが出た。

 ベンチは1球ごとに盛り上がり、「こんなに楽しいチームでやれるとは思わなかった。最高でした」。ここで知り合った仲間と連絡先を交換し、写真を撮った。

 「軟式はチームプレーが必要。それが醍醐(だいご)味です」と出口は言う。「この交流試合をきっかけに軟式のおもしろさを年下の人たちに発信していきたいし、もっと世の中に広がってほしい」と語った。

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