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奄美高の体育館で「八月踊り」を生徒と一緒に楽しむツアー客=2024年12月7日、鹿児島県奄美市名瀬、神田和明撮影
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 鹿児島県奄美大島を訪れた人に心から楽しんでもらおうと、地元の高校生だけで企画、運営した交流プログラム「しまんちゅ学園」が、奄美市の県立奄美高校で開かれた。首都圏などからのツアー客が生徒とふれあい、奄美の自然や伝統芸能などを楽しんだ。

 同高が2022年から始めた地域協働の活動「奄美の魅力フルコース堪能プロジェクト」の一環。三菱みらい育成財団(東京都)の助成を受け、商業科と情報処理科の3年生64人が7日にツアー客11人をもてなした。

 「学園」では、プログラム全体を説明する「入学式」に続いて、島の海岸の砂や貝殻、大島紬(つむぎ)の切れ端などを使って写真立てを作るワークショップを開催。生徒と会話しながら手を動かした参加者は「早く部屋に飾りたい」と笑顔を見せた。

 「生物クイズ」で、アマミノクロウサギやハブ、ケナガネズミなどの生態を紹介した後、伝統芸能「八月踊り」を参加者と一緒に踊った。生徒が振りを教え、チヂン(小太鼓)のリズムに合わせて輪になると、手足の動きがぎこちなかった参加者も次第になじみ、「盆踊りみたいで楽しめた」と話す人もいた。

 ツアー客は「学園」の前日の6日に来島。龍郷町秋名集落であった「のんびりシマ(集落)歩き体験」に参加し、生徒とともに島の日常や文化に触れた。「学園」翌日の8日は市内の商店街であった「奄ふるマルシェ」で奄美の味や島唄などを楽しんだ。いずれも生徒が企画、運営に関わっている。

 東京都から参加した戸田圭子さん(64)は、「若い世代の子と接することは少ない。若々しい発想と素朴なおもてなしで、いい経験といい思い出になった」と話した。情報処理科の渡柚季さん(18)は「観光客とふれあい、自然の豊かさ、伝統文化のすばらしさ、島の人の温かさを伝えられたと思う。頑張ってきてよかった」と話した。

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