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「れもんハウス」でショートステイを利用する親子。生後9カ月の女の子は、藤田琴子さん(左)からご飯を食べさせてもらっていた=2024年6月20日午後7時24分、東京都新宿区、三宅梨紗子撮影
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 親子だけでは行き詰まってしまう時、家庭以外でひと休みできる場があれば――。そんな思いに応える場所が、都会の一角にある。親子で過ごす時間が増える夏休み。施設でも、シェルターでもない「ショートステイ」の受け入れ先になっている一軒家を訪ねた。

 新宿駅近くの住宅街。路地を抜けると、築60年ほどの一軒家が現れた。木造2階建ての1階部分には20畳ほどの広々としたリビングがあり、本やおもちゃが置かれている。

 日が暮れたころ、しょうゆやだしの香りがキッチンから漂い、ちゃぶ台に並んだおかずから湯気があがる。「いただきます」。集まった子どもや大人が、一緒に手を合わせた。

 一般社団法人「青草の原」が運営する「れもんハウス」。育児に疲れた親などから子どもを一時的に預かったり、親子の宿泊を受け入れたりしている。新宿区の「ショートステイ事業」や夜間に対応する「トワイライトステイ事業」で、2022年から実施している。

 れもんハウスを立ち上げたのは、社会福祉士の藤田琴子さん(32)。DVや貧困、障害などで生活に困難を抱える親子が暮らす母子生活支援施設で働く中、「私が頑張らなければ」などと自分を追い詰める親たちの姿を見てきた。

 「親子だけだと煮詰まっちゃ…

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