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 絵本作家のせなけいこさんが23日、92歳で亡くなった。

 絵本作家としてのデビュー作は、1969年に刊行された「ねないこ だれだ」を含む、「いやだいやだの絵本」(4冊シリーズ)だった。その編集を担当した本多慶子さん(84)は「せなさん自身が子育てで直面した経験をもとに、絵本を作ろうと思ったのが原点。晩年も、『最初で最後の自伝的絵本よ』と話していた」と振り返る。

 本多さんによると、60年代はまだ「小さい子どもたちのための絵本が日本では少なかった」。60年代半ばに「うさこちゃん」シリーズで知られるオランダのディック・ブルーナの絵本が翻訳出版された。しかし高額だったため、せなさんはブルーナの本が好きな息子のために、自分で考えた絵本を手作りした。

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 「せなさんは、ブルーナに負けないような本を作ろうと意気込んでいた。子どもが進んで本を開けるよう、見開くとちょうど子どもの肩幅くらいになるような大きさにしたんです」

 デビュー作の4冊には、こん…

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