埴輪(はにわ)の最高傑作とされる「埴輪 挂甲(けいこう)の武人」(6世紀、群馬県太田市飯塚町出土)の国宝指定50周年を記念する特別展「はにわ」(朝日新聞社など主催)が、16日から東京・上野の東京国立博物館で始まる。15日、内覧会があった。
埴輪は4~7世紀に各地の古墳を飾った造形品。展覧会では、全国から約120件のえりすぐりの至宝が集結した。目玉の一つが、「挂甲の武人」と同じく、古墳時代の上野国(こうずけのくに)(現在の群馬県)の工房で作られたとみられる武人埴輪を集めたコーナーだ。米・シアトル美術館や国内の博物館などに収蔵される「きょうだい」計5体が独立したケースで展示され、様々な角度から眺めることができる。
解体修理にあわせて行われた調査で、「挂甲の武人」は当初、白・赤・灰色の3色で塗られていたことが判明した。彩色復元された実物大のレプリカも見逃せない。
このほか、武人や捧げ物をする女性の埴輪、家形埴輪、盾形埴輪などがセットになった今城塚古墳(大阪府高槻市)の展示や、魚、犬、牛、鹿、馬などの埴輪十数体が2列に並ぶ「動物埴輪大集合」も見ものだ。
12月8日まで。25年1月から九州国立博物館(福岡県太宰府市)へ巡回する。(編集委員・宮代栄一)