球速アップに向け、下半身を鍛える浜田の山田玲投手=2025年5月20日午後6時36分、島根県浜田市黒川町、堀田浩一撮影

第107回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、島根県教育委員会、朝日新聞社主催)が7月10日に開幕します。注目の選手やユニークな取り組みをするチームを紹介します。

 179センチの細身の体から繰り出す直球は最速150キロ。浜田の山田玲投手(3年)は「島根県内屈指の右腕」との呼び声が高い。目下、島根大会に向け、球速アップを目指して練習に励む。狙うは155キロだ。

 山口県出身。地元中学の軟式野球部で速球派の投手として頭角を現し、中学3年の時、県内外の公私立高校約10校から入部の誘いを受けた。浜田もそのひとつ。父親の母校だった縁もあって進学先に選んだ。

 1年生の秋季県大会でいきなりエース番号を背負った。最速145キロの直球とスライダーを武器に全試合に登板。チームの優勝の原動力となった。

 だが2年生になり、体の成長とともに投球バランスを崩した。昨夏の島根大会準々決勝。一回途中からリリーフ登板したが12安打を浴び、8回コールド負け。試合後、3年生たちに肩を抱かれながら泣きじゃくった。

 冬場、投球フォームを見直した。踏み出す左足の着地、球に力を込めるときの体の使い方など微調整を重ねた。参考にしたのは、大学野球の試合動画で見た150キロ超の速球を投げ込む本格派投手のフォーム。「股関節の使い方を学び、おかげで球の質がよくなった。球速も140キロ中盤をコンスタントに出せるようになった」

 変化球のバリエーションもスライダー以外にチェンジアップ、スプリットなど5種に増やした。それでもやはり「自分の投球で見てもらいたいのは、まっすぐの強さ。どんな場面でもまっすぐで押すことができるところを見てほしい」。

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