木造の住宅密集地がビルやマンションなどに上書きされていく。土地区画整理事業が最終段階を迎えた川崎市多摩区の登戸駅・向ケ丘遊園駅周辺。区内に住むグラフィックデザイナーのスミナツコさん(39)は変わりゆく街並みの記憶を書き残したいと、仲間たちとフリーペーパーを発行している。
フリーペーパーの名前は「ノートリボ」。「のぼりと」を並べ替え、ノート(記録する)とリボーン(再生)を組み合わせた造語だ。
「みんなで綴(つづる)る街ノート」だという。街の変化を「自分のこととして記録してもらう」。寄せられた原稿をスミさんがレイアウトする。掲載するのは向ケ丘遊園駅周辺での遊びの記憶や、登戸駅周辺を散歩したエッセーなど。「ノートや本は時間をおいて読み直せる。時間を超えて伝えていくもの」と思う。
「新しい街の楽しみ方を模索」
多摩、麻生の両区で育ち、祖…