声優の西明日香さん=東京・赤坂、相場郁朗撮影

 アニメの声優は、作品への出演だけでなく、イベントでは歌って踊り、ラジオではトークも披露する、ファンにとってアイドルに近い存在だ。兵庫県出身の声優、西明日香さん(36)は、そんな「アイドル」にはタブーとも言える結婚や出産をコミカルに語り、人気を集めている。「笑い」を武器にファンの心をつかむ西さんのこだわりを聞いた。

 ――アイドル的な清純さが求められがちな業界で、笑いにこだわった活動を続けてこられました。

 声優は、演技がうまい人から歌や踊りが達者な人まで、多才です。でも自分にはとても無理。じゃあ何をアピールしようかと思った時に、笑いがあったというわけです。

 根っからの関西人ということがあるんでしょうね。うちは両親も兄も姉も、日常的にボケてはツッコんでという会話を繰り返しているような、笑いに厳しい家でしたから。

 ただ、自分の売りとして自覚するようになったのは、芸人出身の石ダテコー太郎監督との出会いがきっかけです。どんな状況が笑いにつながるのかを教えてもらいました。

 実践するのは難しかったです。そのころ、声優の洲崎綾さんと組んだネットラジオ「洲崎西」が始まりました。ボケとツッコミを激しく応酬する展開に鍛えられました。新鮮と受け取ってもらえたようで、今まで600回近く続いています。

 ――ファンには敬遠されがちな結婚や出産を、笑いを交えて語るのも新鮮でした。

 ファンのみんなにがっかりされないためには、どうすればいいんだろうと考えた時、力になるのはやはり笑いだろうと。結婚発表はエイプリル・フールにしましたし、番組の中で、結婚生活や出産・育児を、とことん面白おかしく語りました。

 夫に鶏肉の解凍を頼まれたの…

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