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野菜など一つ一つに手書きの説明が付いていた=東京都千代田区の福島屋秋葉原店
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2030 SDGsで変える

 生きていくうえで食べ物は欠かせません。政府は今年、「食料安全保障」のかぎは消費者が握るとして、人と環境に優しい「エシカル(倫理的)消費」の広がりをめざす法改正をしました。SDGs(持続可能な開発目標)の基盤となる持続可能な消費と生産を実現するため、私たちにできることは何でしょうか。(加藤裕則)

生産者に代わり物語伝える

 東京・JR秋葉原駅近くの食品スーパー「福島屋」(本社・東京都羽村市)を7月中旬に訪ねた。

 色とりどりの野菜や加工食品が並び、おいしそうだ。一つ一つに「ほのかに甘く、手がとまりません!」「化学肥料不使用」といった手書きのポップが付いている。

 秋田県の八郎潟でとれたというワカサギの唐揚げは「専属の漁師さんが工場まで車で5分で直送」とアピール。ショウガの煮物のパック詰めでは、農家からショウガが2トン余ったと福島屋の社長に相談があったことから試行錯誤して作られたという「開発秘話」が明かされていた。

 福島屋の幹部は「商品の素晴らしさを生産者の代わりに消費者に伝えるのが私たちの役割」と話す。他の一般的なスーパーより値段が高めの商品もあるが、手書きの「ストーリー」が価値を増している。

 国は、エシカル消費を「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」(消費者庁ホームページ)と定義づけ、広めようとしている。

 だが、日本が他国よりも進んでいるとは言えない。

 コンサルや会計監査などを営…

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