打ち上げが中止となった小型ロケット「カイロス」2号機=2024年12月14日午前10時36分、和歌山県串本町、朝日放送テレビヘリから、田辺拓也撮影

 宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は14日、午前11時に予定していた小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを中止したと発表した。同社は風速が原因で、翌15日に延期する方針だと説明している。

 今年3月、打ち上げ直後に爆発した初号機の失敗から9カ月。人工衛星を予定の軌道に投入できれば、民間ロケットとして日本初となる計画だった。再挑戦となった2号機の打ち上げは、「宇宙宅配便」の打ち上げビジネスに参入するための試金石として注目されている。

衛星は計5基、仏像も宇宙へ

 カイロスは、全長約18メートル、直径約1.4メートル、重さ約23トンの固体燃料ロケット(3段式)。計画によると、機体はエンジンを燃焼させて高度約500キロへ上昇。打ち上げの約54分後に、小型衛星5基を軌道に投入する予定。

 搭載されたのは、宇宙ベンチャー「テラスペース」(京都府)や台湾の宇宙機関、広尾学園(東京都)の高校生らがそれぞれ製作した衛星。衛星の一つには「宇宙寺院」として仏像も設置された。

 国内の民間ロケットでは、2019年5月に宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」(北海道大樹町)の小型ロケット「MOMO」が高度100キロ超の宇宙に初めて到達したが、衛星は載せていなかった。

 カイロスは、日本の基幹ロケ…

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