リサイクルしたプラスチックでダイヤブロックをつくれるか研究している玩具メーカー・カワダと三菱電機のイベント会場には、お世話になったおもちゃを持参する子どもの姿もあった=東京都江東区、三菱電機提供

 頑張って分別しても、実際には多くが焼却・熱利用されているプラスチック。再びプラとしてよみがえらせようと、企業が技術を磨いている。国内でも再生プラの利用が一部義務化される見通しで、有限な資源をできるだけ循環させる「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の流れが強まりそうだ。

 9月1日まで都内で開かれた東京おもちゃショー。ダイヤブロックで知られる玩具メーカー「カワダ」(東京)の新作「メグリイロ」が家族連れの注目を集めていた。

 ブロックは赤、黄、青、色とりどりながら、シックな風合い。「これは家電に使われていたプラスチックを再生したもの。再生プラは様々な色が含まれるので、ベースが少しくすんでいる。色合いをいかした自然な色味になることを意識しています」

家電のプラスチックをリサイクルして再生されたダイヤブロック「メグリイロ」=東京都江東区

 説明してくれたのはカワダと共同開発している三菱電機の奥田勇さん。メグリイロという名にはプラが循環する理想の姿を重ねた。

 プラの原料は石油だ。高温で熱分解してできる0.1ナノ(ナノは10億分の1)ほどの炭素と水素の小さな部品(モノマー)を無数につなぎ合わせてプラが作られる。100種類以上あり、使用後に回収しても分別しないと再生利用しづらい。

 「貴重な石油を資源にしている分、社会で何周もプラスチックを利用できないか。20年近く電機メーカーとして開発を重ねてきました」。三菱電機の井関康人さんは振り返る。

静電気おびるプラ「野球の変化球のように…」

 同社が取り組む分別方法が「静電選別」だ。その名の通り、静電気の力が肝になる。実際に分別を行う千葉市の子会社の工場を見せてもらった。

 家電リサイクル法にもとづい…

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