在日コリアンの作家らの実名を挙げて「日本名を名乗るな」と書いた週刊新潮の連載コラム「変見自在」が、終わることになった。名指しされた作家が涙ながらに声を上げ、多くの作家仲間らも同調。新潮社の社内からも疑問の声が上がり、20年以上続いた同誌の「看板コラム」は事実上の打ち切りとなった。
- 週刊新潮コラム「変見自在」終了へ 作家名指しし「日本名を使うな」
「高山氏と編集部で協議の結果、本コラムは今回で終了することになりました。長年のご愛読ありがとうございました」
20日発売の週刊新潮。高山正之氏のコラム「変見自在」の最終回には、編集部の名前でこのような説明が添えられている。
問題のコラムは、7月24日発売号に掲載された「創氏改名2・0」と題したコラムだ。日本のほかにルーツを持つ大学教授や作家、俳優の名前を挙げて、「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と結ぶ内容だった。
「高山さんの連載は、いつも挑発的で露悪的なきわどいところをひょいひょいと歩いてきた印象だったが、今回は誰が見てもダメだろうという表現のまま出てしまった」。ある社員はこう語る。
コラムは掲載後、SNS上で話題になり、新潮社内でも内容に疑問を持つ声が出た。同社関係者によると、掲載直後に社内で連載を打ち切った上で、編集部として謝罪コメントを出す働きかけが起きたという。
ただ、当初は、そうした声が大きなうねりにはならなかった。
新潮社を巡っては、2018年にLGBTについて「支援の度が過ぎる」という趣旨の寄稿や企画が批判され、休刊に追い込まれた月刊誌「新潮45」の件が記憶に新しい。この関係者は社内で「休刊時のような騒動を繰り返したくない意地があった」と話す。
ただ、8月4日に事態が動く。コラムで名指しされた1人、在日コリアンで作家の深沢潮さんが会見した。
「差別感じられる悪意」作家からも批判続々
「怒り、悲しみ、吐き気、そ…