気候変動の話をしよう⑤ 「斗々屋」広報・ノイハウス萌菜さん
ゴミを出さない(ゼロ・ウェイスト)ことの便利さや心地よさを体験できる場を増やす――。容器包装ごみと食品ロスをゼロにすることを目指すスーパーマーケット「斗々屋」を仲間と一緒に立ち上げたノイハウス萌菜さん(31)が、気候変動のアクションを広げるために、心がけていることだと言います。ノイハウスさんが考える「日本に合った伝え方」とは。
気候変動への危機感を共有し、多くの人たちのアクションにつなげていく。そのためのコミュニケーションのあり方について、様々な立場の方から、意見を聞くインタビューシリーズです。
――2021年に京都で量り売りでゴミを出さないスーパーを開店しました。
700種類の商品を扱い、量り売りが中心です。野菜は種類ごとに木箱に。しょうゆ、パスタ、菓子類やナッツ、ワインなども、ガラスやステンレスの器から、買う分だけ客が持参した容器や、店が備える預かり金式の容器に入れる。20グラムから量を自由に選択できる。肉や魚、総菜なども必要な分だけ購入できます。
飲食スペースも併設し、生鮮食材は鮮度が落ちる前に使い、食品ロスを防いでいます。農家から野菜を仕入れるときは新聞紙にくるみ、菓子類は一斗缶に入れるなど納品でも容器包装を避けるようにしています。
ゆるく、次世代のための投資
――きっかけは?
母が日本人、父がドイツ人でドイツ生まれです。英国の大学を卒業後、日本に移り、外資系コンサルタント会社で働き始めました。
食材を買うと、ポリ袋かパックがついてくる。コンビニでも……。ゴミが少なくてすむ選択肢がとても少ないと感じました。
私の環境意識は、合理性と「あたり前」を疑うことです。友人も私も、ペットボトルは買わないでマイボトル。なるべく量り売りの店を選ぶ。車より自転車をなるべく選ぶ。古着を愛用する。それは、お財布にエコだし、ゴミを捨てる手間が省けるという理由からです。心地よさもあります。「地球にやさしい」は、結果的についてくる感じ。
生活は倹約ベースですが、作り手の顔が見える野菜やオーガニック食品は可能な範囲で手に取るようにしています。土壌環境を守るなど、「次世代のための投資」に価値をおいているからです。大人の責任だと考えています。
ゴミを減らすために個人レベルでできることとして、会社員の傍ら、SNSで海外と日本のゴミに関する取り組みの現状を発信しながら、ステンレス製ストローの開発と販売を始めました。同じ問題意識を持つ仲間と、東京都内の代々木公園かいわいや国分寺のカフェの一角で、ポップアップや常設で食材を量り売りする店を始めました。
――お客さんの反応は?
「地球を傷めているという罪…