生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」を使って作られた「ジブリ風」の画像が、この1カ月ほど世界中で流行し、SNSを席巻している。こうしたイラストは、どの程度、本物のジブリの絵に近いのだろうか。そもそも、我々はどういった要素をとらえて「ジブリ風」だと感じているのか。アニメ評論家の藤津亮太さんに聞いた。

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 ――そもそも、何をもって「ジブリ風」だと我々は感じるのでしょうか。

 前提として、一口に「ジブリの絵」といっても、監督の方向性や描く人の個性、時代や作品によってけっこう違いはあります。その上で、「ジブリ風」だと感じさせる要素としては、まずは柔らかい輪郭線があげられるかと思います。また、少しくすんだアンバー(黄褐色)系の色づかいも特徴でしょう。

 ――登場人物の描き方については。

 顔の輪郭は卵型が基本です。人の似顔絵をリアルに描こうとすると、輪郭はもっと角張ったり、骨格がはっきり出たりするものですが、ジブリでは基本的に、滑らかで丸みのある卵型にまとめています。

記者が「少女が湖畔にたたずむジブリ風の絵を描いて」とChatGPTに指示し、生成されたイラスト

ジブリ作品の描き方、「ジブリ風」のもたらす未来

 鼻の立体感は、一部のおばあ…

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