Smiley face

 20世紀初頭、写真家として米国の自然保護に奔走した日本人がいた。その功績が再評価され、今年5月には全米でドキュメンタリー映画が公開されることに。制作チームが彼の人生をしらべるうちに、ルーツが静岡にあることが分かった。

写真・図版
グレートスモーキーマウンテンの国立公園化に行動したとジョージ・マサをたたえる銘板=Bonesteel Films提供

 彼はジョージ・マサという日本人。1910~30年代に米ノースカロライナ州で過ごした。州内にあるグレートスモーキーマウンテンを国立公園にしようという運動が始まると、ジョージは写真家として指定に必要な調査に尽力。指定が決まる前年の33年、肺結核で48歳の生涯に幕を下ろした。

 第2次大戦前後の排日運動などもあり、その功績は長く忘れられていたが、昨年になってその生涯を紹介する書籍が出版された。

 映画化に当たり、日米の合同チームが彼の人生を調査。遺品にあった日本語の古い手紙を読み進むうちに、遠藤章二という名が何度も出てくることに気づいた。

 この日本人の名をさらに調べた結果、ジョージと同一人物だと分かった。すぐさまチームは、ジョージこと章二の経歴を追った。

 生まれてすぐ、静岡の遠藤家…

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