尾道の藤誠人選手=2025年5月10日、ぶんちゃんしまなみ、遠藤花撮影

(10日、春季広島県高校野球大会準決勝 英数学館3―0尾道)

 「初球から思い切りいけ」

 一回表、尾道の1番打者・藤誠人選手(3年)は、北須賀俊彰監督にそう送り出された。相手は最速146キロの藤本勇太投手(同)。初球を振り抜くと右中間を抜け、三塁打に。ガッツポーズを見せたが、後が続かなかった。

 2年春から1番に座る。4強で終わった昨夏の広島大会は「なかなか打てなくて貢献できず、先輩に迷惑をかけた」と振り返る。当初はプレッシャーもあったが、「自分が必ずチャンスをつくる」と役割を自覚している。

 この日の試合、五回にも二塁打を放ったが、打線がつながらなかった。「ストレートは速く、変化球のキレもある。とても打ちにくかった」と相手エースをたたえた。

 「悔しい結果にならないよう練習してきたが、チャンスで1本出せる練習をもっとしないといけない。夏は悔いが残らないよう、高いところまでいきたい」。宿題を持ち帰った。

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