ベッセント財務長官との会談を終え、記者会見する加藤勝信財務相(中央)=2025年4月24日午後5時半(日本時間25日午前6時半)、米ワシントン、榊原謙撮影

 訪米中の加藤勝信財務相は24日午後(日本時間25日未明)、ワシントンでベッセント米財務長官と会談した。米国による関税措置をめぐる日米交渉の一環で、日米間の為替政策について意見を交わした。加藤氏は「米国から為替水準の目標や、それに対する管理の枠組みの話は全くなかった」と述べ、米側からドル高の是正要求はなかったと明言した。

 会談後に記者会見した加藤氏によると、両氏は「為替レートは市場において決定される」「為替レートの過度な変動は、経済や金融の安定に悪影響を与える」など、為替相場をめぐる主要7カ国(G7)の合意を再確認した。

 また、日米間で進む関税をめぐる交渉を念頭に「為替に関しては緊密かつ建設的に協議を続ける」ことで一致したという。

 トランプ米大統領は製造業の輸出に有利なドル安志向が鮮明で、ベッセント氏も、他国が自国通貨安につながる措置をとることに不快感を示してきた。このため市場では、ベッセント氏が何らかのドル高是正策を要求してくるとの見方もあった。

 加藤氏とベッセント氏の対面での会談は初めてで、約50分にわたって実施された。会談の冒頭、加藤氏はトランプ政権による関税措置について「極めて遺憾」だとベッセント氏に伝え、見直しを強く求めたという。

 関税をめぐる日米交渉では、赤沢亮正経済再生相が今月30日に2回目の訪米をして、米政権側との交渉に臨む方向で調整している。

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