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アリさんからコスズさんへの1通目

米軍が広島、長崎に原爆を投下してから、もうすぐ80年。両方の原爆投下機に搭乗した米兵の孫と、両方で原爆に遭った「二重被爆者」の孫が出会い、友情を築いています。2人に折々の国際情勢に触れながら手紙を交わしてもらう企画を始めました。今回の筆者は米兵の孫・アリさん。二重被爆者の孫・コスズさんから届いた1通目への返信です。

  • 【アリ・ビーザーさん自己紹介】祖父は広島と長崎、両方の投下機に搭乗

 心のこもったお手紙、本当にありがとうございました。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定に、ちょうど来日していて日本で立ち会えたことは、本当に素晴らしいことでした。

 被爆者たちは「ノーモア・ヒバクシャ」が実現することを望んでおり、コスズさんもこの信念を共有しておられることでしょう。祖父たちの物語をつなぎ合わせ、新しい世代の人々に伝えるという、ぼくとコスズさんの取り組みも、被爆者たちの誇りになることを願っています。

  • 【コスズからの手紙】ボイコットされた平和祈念式典 かつて敵同士だった国の友への手紙

 先月、息子さんが通う長崎の学校で行ったように、コスズさんと一緒に話す機会を大切にしています。ぼくは日本でたくさんの質問を受けますが、米国に来られたら、誰もがコスズさんの祖父の話を聞きたいと思うことでしょう。

 この分断の時代に、ぼくを友人として受け入れてもらえただけでも、未来への可能性を信じることができます。意見の違いを克服し、ぼくの祖父の行動がコスズさんの祖父にとってどのような意味を持ったのかを十分に理解した上で、コスズさんが複雑な心境を乗り越えることができるのなら、世界の誰もが共通基盤を見つけることができるでしょう。

 さて、今年の長崎平和祈念式典に、いくつかの国の大使が欠席したとのことですね。イスラエルを招待しなかった鈴木史朗市長の意図は、原爆の犠牲者に焦点を当て続けることだったと思います。原爆犠牲者を追悼し、核兵器廃絶を明確に訴える日です。

 現在、核兵器を使うぞと脅している国を代表する大使は、式典の精神に沿わないかもしれません。彼らの式典出席に抗議する人々も現れるかもしれないし、原爆犠牲者の苦しみから焦点が離れてしまうでしょう。

 被爆者の体験談は、最強の抑止力です。核兵器による破壊を目の当たりにした人々の声に耳を傾けるとき、彼らの経験を二度と繰り返さないように、人類は一層努力しようとすることになるからです。

 ぼくのユダヤ人としてのルーツに関わるお尋ねもありました。

 ぼく自身は、単なるユダヤ系…

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