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 年金制度改革の関連法案をめぐり、自民党は19日、国会提出を見据えた作業を再スタートさせた。参院選を控えて「鬼門」の年金議論に慎重論が強まったが、先送り論にも批判が相次いだ。先行きは見通せない状況のままだ。

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参院予算委で質問を聞く石破茂首相=2025年3月10日午前10時15分、岩下毅撮影

 「法案提出に向け今後も議論していく」。19日の自民部会後、長坂康正部会長はこう語った。夏の参院選への影響を懸念し、今国会への法案提出は自民党内で綱引きが続いてきた。

 8日には党本部で幹部が協議。参加者によると、参院の武見敬三会長や松山政司幹事長、小野寺五典政調会長らは「出したら参院選でボコボコにされる」などと参院選後への先送りを主張した。

 一方、与野党は今国会の重要法案として「重要広範議案」に指定済み。厚生年金の将来受け取る年金額増や基礎年金(国民年金)の底上げ策といった重要な内容が盛り込まれており、「国会に提出して議論すべきだ」(政府高官)との声が根強かった。

提出できないなら「政権担当能力はない」

 10日には自民の森山裕、公…

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