(11日、第107回全国高校野球選手権2回戦 高川学園8―5未来富山)

 4点リードの六回裏。高川学園(山口)の左腕・松本連太郎投手(3年)が、救援のマウンドに立った。「流れは絶対に渡さない」

 最初の打者に四球、次打者には安打を許したものの、後続を打ち取り、この回は無失点で抑えた。

 奈良県出身。幼い頃から野球好きの父と何度も観戦に訪れた甲子園のマウンドは、あこがれだった。富山大会を4割2分6厘のチーム打率で制した相手への不安よりも、「マウンドに立てるだけでワクワクした」。

 七回と八回にも、得点圏に走者を背負った。それでも、ストライク先行の投球で打者を追い込むと内野ゴロに仕留め、いずれの回も得点を許さなかった。

 山口大会では、負けん気の強い速球派右腕の木下瑛二投手(2年)が先発し、冷静沈着な松本投手が救援する継投策で勝ち上がった。甲子園初戦のこの日も、「必勝リレー」で快勝した。

 4回74球を投げ、あこがれの舞台で1勝を挙げた。しかし、試合後には反省を口にした。

 「あの失点だけが悔しくて」。四球と暴投などで二死三塁となった後、中前適時打で失った九回裏の1点を悔やんだ。そして、次戦を見据えた。

 「きょうの出来は60点ぐらい。次戦はもっと冷静になって、満点の投球をみせつけたい」

共有
Exit mobile version