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米ワシントンのホワイトハウスで2025年8月18日、会談に臨むトランプ米大統領(左から2人目)やウクライナのゼレンスキー大統領(右)ら各国首脳=ロイター

 ロシア寄りの立場を強めるトランプ米大統領を自分たちに近い立場に引き戻せるのか――。そんな難題を抱えたウクライナのゼレンスキー大統領、欧州首脳らは18日の会合で、トランプ氏の顔を立てながら立場の違いを際立たせるのを避けた。トランプ氏が力ずくでウクライナに不利な条件を迫り、決裂するという最悪のシナリオは避けられたかに見えるが、停戦、和平への道はいっそう不透明になった。

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 会議は18日午後(日本時間19日未明)、ワシントン・ホワイトハウスでまずトランプ氏とゼレンスキー氏が会談。続いて2人が英仏独伊、フィンランド、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)首脳とテーブルを囲む形で行われた。2者の首脳会談にこれだけ多数の第三国首脳らが同席するのは異例の事態だ。

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 プーチン氏との「ディール(取引)」で和平合意に傾斜するトランプ氏に、ゼレンスキー氏が、侵略の被害者であるウクライナの意向を抜きに和平は達成できないとの立場をどう訴えるかが注目された。欧州首脳らが同席を決めたのは、ゼレンスキー氏が会談の場で不本意な譲歩を迫られるのを避けるためだった。

 15日に米アラスカ州で行われたプーチン氏との米ロ首脳会談後、トランプ氏は急速にロシア寄りの姿勢を強めた。直後の米FOXニュースのインタビューに「(ウクライナには)ディールしろと言う。ロシアは大国だが、彼ら(ウクライナ)はそうではないからだ」とも発言。欧米メディアなどはトランプ氏が、ウクライナが東部2州をロシアに明け渡す案をゼレンスキー氏や欧州首脳らに持ちかけたと相次ぎ報道した。

 18日の会合で、ドイツのメルツ首相が「ロシアに対して圧力をかけることがまず必要だと強調したい」と発言するなど、一時掲げたロシアへの追加制裁を見送ったトランプ氏を牽制(けんせい)する場面もあった。

 ただ、目立ったのは、トラン…

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