米国とフィリピンは30日、マニラで外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開いた。米国はフィリピンへの5億ドル(約774億円)の軍事援助を発表。南シナ海の領有権をめぐる緊張が高まるなか、フィリピンと対立する中国を強く牽制(けんせい)する動きだ。
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米比2プラス2の開催は2023年以来で、4回目。これまでの米比2プラス2はいずれも米国で開催していた。南シナ海のアユンギン礁近海では中国船とフィリピン船の衝突などが相次ぎ、今年6月にはフィリピン兵7人が負傷、うち1人は指を切断する大けがを負った。中国に対する危機感は米比ともに高まっている。フィリピンで初の2プラス2開催で、米国はフィリピン重視の姿勢を打ち出した。会談後に出した共同声明では、南シナ海のアユンギン礁近海での衝突を念頭に、中国による危険な行動がけがにつながったなどとして「深刻な懸念」を示した。
共同会見でブリンケン米国務長官は「我々の関係はかつてなく強固で、前例のないほど勢いがある」と語った。米側は対外軍事融資(FMF)による5億ドルの軍事援助を発表。フィリピン軍や沿岸警備隊の海上防衛などの能力向上を支援する。オースティン米国防長官は「一世代に一度の(規模の)投資だ」と語った。
フィリピンのテオドロ国防相…