前川彰司さんの再審判決公判が開かれた名古屋高裁金沢支部の法廷。中央上は増田啓祐裁判長=2025年7月18日午後2時、金沢市、代表撮影

 福井・女子中学生殺害事件から39年。新たな証拠をもとにした再審の判決で名古屋高裁金沢支部は18日、前川彰司さん(60)を犯人とした捜査と公判を「不正」「不当」と批判した。

  • 39年前の福井・女子中学生殺害、再審無罪 裁判長「申し訳ない」

 「検察、警察のみならず、刑事司法全体に対する信頼を揺るがせかねない深刻なものである」

 増田啓祐裁判長は法廷でそう述べて、3時間を超えた判決の言い渡しを締めくくった。捜査側への批判の厳しさは昨年10月の再審開始決定を上回っていた。

警察と検察 それぞれの問題点

 まず問題視したのは「犯人は前川だ」とする知人男性への警察の姿勢だ。男性は中学の先輩で、覚醒剤事件などで逮捕されていた。殺人事件の情報と引き換えに量刑の軽減や保釈を得ようとしていた。

 警察は当初「信用できない」…

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