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街頭で演説する与党・国民の力の候補者の趙廷訓さん=2024年4月3日、ソウル、太田成美撮影
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 韓国で10日に投開票される国会議員の総選挙(定数300)では、世襲や多選などで同じ選挙区を「独占」する候補者が少ないという特徴がある。政治一家で育ち、「地盤(組織)、看板(知名度)、かばん(資金)」を持つ候補が有利な日本と大きく異なる。なぜなのか、背景を探った。

 「政治を前に進めなければならない」。ソウル中心部の住宅街で、保守系与党・国民の力から立候補した趙廷訓(チョジョンフン)さん(51)が声を張り上げた。15年間、世界銀行で勤務し、米国や途上国で暮らした後、「次は祖国を豊かにしたい」と韓国に戻り政治の世界に飛び込んだ。4年前の前回選挙では、最大野党・共に民主党の系列政党の比例代表として初当選。今回は国民の力に移り、小選挙区で再選をめざす。

 趙さんはソウル出身だが、今回出る選挙区とはもともと縁は乏しい。ただ出身校のつながりなどが重視される地方都市と比べ、ソウルは住民の入れ替わりも多く、地元でないことは「ハンデにならない」。1期(4年)だけで退く議員も多いといい、「任期中に良い成績が出せなければ交代させられるというプレッシャーがある」と語る。

 1987年に民主化した韓国…

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