現場へ! 憲法を手にⅢ③
3月上旬、愛知県刈谷市で生活保護を受けている千代盛学(70)の自宅を訪ねた。
糖尿病性の網膜剝離(はくり)で視力を失いながら、一人暮らしを続けている。「生活保護の基準額が引き下げられ、一段と生活が苦しくなった。弱い者を生かさず殺さず、という国のやり方に、絶望感を味わった」。見えない目でインスタントコーヒーを入れてくれながら、千代盛はそう語った。
30年近く和食の料理人をした後、派遣社員として電気関係の仕事をしている最中に少しずつ視力を失い、職を失った。基準額の引き下げ後は、冬場でもシャワーだけ。電気代のかかるエアコンは、猛暑の日もできるだけつけないようにしてきたという。「保護費を、もとに戻してほしい」
2012年12月の総選挙で…