若者を中心に熱狂的な人気を呼ぶ「アイドルオーディション番組」。挑戦者に、ダンスや歌を指導する「トレーナー」の存在にも注目が集まっている。人生を左右することもある指導者は、参加者のどんな部分に注目するのか。才能はどう見分けるのか。
「ME:I」や「IS:SUE」などのグループを生み出した番組「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」(通称・日プ女子)にトレーナーとして出演した世界的ダンサー・振付師のYUMEKIさん(24)が、「伸びる」練習生の特徴を語ってくれた。
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――トレーナーとしての参加を決めた経緯は。
話をいただいた時、瞬間的に「自分にとっての新しい挑戦が始まる」と思いました。プレイヤー(参加者)だった自分が、指導者という立場で番組に出ることが難しいことはわかっていましたが、想像以上でした。序盤は思い通りに行かないことばかりでした。
――たとえば、どんな点でしょう。
普段は、ある程度基礎があるプロのアイドルへの振り付けをしています。でも、挑戦者は、デビューしたことのある子からダンスも歌も未経験という子まで、レベルがバラバラ。どこに基準を合わせて教えればいいのか考えて、一人一人への教え方を変えようと努力しました。
――自身も2022年、ダンスコンテスト番組に挑戦者として出演しました。
僕の場合、韓国でやっていたので、言葉の壁や文化の違いがありましたし、日本人が一人という孤独感やプレッシャーもありました。そういう面で、「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」の練習生たちは、お互いわかり合える仲間と高めあっていけるんだなと感じていました。
記事の後半では、YUMEKIさんが感じた「伸びる子」の特徴、番組中に飛び出した厳しい言葉がけの真意などについて聞きます。
――練習生に伝えていたことは。
自分自身がコンテスト番組に参加したときは、「自分をよく見せたい」とか、勝ち負けにばかり目が行って、置かれている状況が理解できていなかった。それが悔しい経験となっていました。
そんな僕だから伝えられるこ…