自民党県連の合同会議では知事選の対応を協議した=2024年12月15日、山形市、高橋昌宏撮影

 「保守王国」で自民党が不戦敗を選んだ。それどころか、前回選挙で争った相手を今回は支援までするという。

 いったいなぜか。

 「政治とカネ」の問題で候補者探しに苦戦したのがある一方で、「保守王国」を名実とも築きたいとのしたたかな思惑も見える。

打診した人数は「2桁」、その末に

 来年1月9日告示の山形県知事選で、自民党は、5期目を目指す現職の吉村美栄子氏(73)を支援すると決めた。

 自民は過去の知事選で吉村氏と戦ってきただけでなく、県議会の会派では知事野党の立場。これまで知事が提案する副知事の人事案や予算案に反対するなど、たびたび対決してきた。

 10月の衆院選で自民党が全国的には退潮傾向となった中で、山形は自民が小選挙区の議席独占を果たした8県の一つ。東北では唯一で、議席独占は2014年以降の衆院選で4回連続という強固な地盤を誇っている。

 自民党山形県連は15日、支部長・幹事長・選挙対策委員会の合同会議を開いた。中心の議題は知事選で吉村氏を支援するかどうか。吉村氏は6日に立候補を表明後、これまで各党の県組織に支援を要請していた。

 それだけに「不戦敗」ともとれる提案に会議では、異論も出た。県連会長の遠藤利明衆院議員らによると、出席者の一部から「独自候補を擁立すべきだ」「(支援を含めて)一切行動を起こさない方がいい」との意見もあった。

 だが、最終的には支援するこ…

共有
Exit mobile version