Smiley face

 首都圏の往来を支えるJR山手線が清掃や整備のために戻る「基地」(東京総合車両ベース)がある。これを一望するのが今年3月、東京都品川区のJR大井町駅前に開業した複合施設OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)だ。

写真・図版
大井町トラックスからのぞむJR山手線の車両基地=2026年9月20日午後11時44分、東京都品川区、金居達朗撮影

【撮影ワンポイント】OIMACHI TRACKS

 車両基地と都心の夜景を1枚の写真に収めるため大井町トラックスの5階で撮影した。

 照明一つ一つが星のように光を放って見えるよう、レンズの絞りを最小まで絞り、シャッターを切った。電車や線路が照明でギラギラと反射して見える雨の日を選んだ。(金居達朗)

  • 【特集】いいね!探訪記

 深夜や早朝には黄緑色の車両が隙間なく並び、朝夕は数本を残して出払う。鉄道ファンには垂涎(すいぜん)の光景だが、これまで人目に触れる機会は少なかった。今は駅直結のデッキから男女・世代を問わず、眺める人が絶えない。

写真・図版
目の前に車両基地をのぞむことができる=2026年9月30日午後2時27分、東京都品川区、金居達朗撮影

 「鉄道の借景という価値に改めて気づかされました」。JR東日本マーケティング戦略部の布施俊太郎マネージャーは言う。来場者は8月末で500万人を超えた。

 もともとJRの社宅などがあった一帯の再開発計画は、区と区画整理を進めながら2018年に始動した。路地に小さな居酒屋が並ぶ駅周辺に、新たな客層を呼び込もうとの狙いも街区のデザインに込めた。

 さなかに起きたコロナ禍の経験は、開放的な設計に生かされた。駅から品川区役所へと続く細長い敷地内には植栽が彩るデッキのほか4600平方メートルの芝生広場もあり、ベビーカーの親子や老夫婦がくつろぐ。ホテルや商業施設を結ぶ通路には、あちこちに座って休める場所が設けてある。公開空地ができて、歩道が狭かった街の防災性も向上した。

写真・図版
開放的でバリアフリー設計の大井町トラックスにはベビーカーの親子連れも多い

 「何もしない時間を楽しむ人の姿に、街づくりが受け入れられたと感じる。運営の主語が『JR』から『街』に変わるのが目標」と布施さん。

 ホテルメトロポリタン 大井…

共有