東京・吉祥寺にあるビルの一室で、9人の小学生が、窓ガラスを鏡の代わりにして、ダンスの練習をしていた。この夏、全日本小中学生ダンスコンクールに初出場する「花まるエレメンタリースクール」に通う子どもたちだ。
同校は、いじめや特性など、さまざまな理由で不登校を経験した子どもたちを受け入れる「フリースクール」。一人ひとりの個性を理解し、受け入れながら、授業や課外活動を通じて、子どもの成長をサポートする。同校の林隼人校長(39)は、課外活動の重要性を実感してきた。「傷つけられた過去や、悩んだ経験のある子どもたちにとって、自信をつける機会はとても重要。ダンスは、ぴったりだった」と、大会の存在を知った今年、すぐに出場を決めた。
大会出場にあたり、校内で出場メンバーを決めるオーディションを実施した。希望者全員で出場する案もあったが、林校長は「オーディションを含めて成長の場にしたかった」と、狙いを語る。選考基準は「緊張感の中で自分を出すことができるか」という点と「成長度」。心に火がついた子どもたちの目の色が変わった。
「ディス・イズ・ミーはぴったり」
希望者20人の中から、ダン…