四国の鉄道やバスの事業者が「ICOCA(イコカ)」や「Suica(スイカ)」など全国交通系ICカードの運賃決済を相次いで導入している。一方で、地域に密着したサービスを持つ独自カードを強みとする事業者も。交通機関のキャッシュレス決済は日進月歩だが、経営基盤の弱い四国の事業者では導入のタイミングやコスト面で難しい判断があるようだ。
伊予鉄グループ(松山市)は3月18日から、電車と路線バスの全線で、全国交通系ICカードの運賃決済を導入した。全国10種類のカードやアプリを入れたスマートフォンで支払いができる。
全国交通系ICが利用できない都道府県が少数派となるなか、乗客の利便性を向上させようと、昨年3月に市内電車と空港リムジンバスで先行して導入。好評を得ているとして、全線に拡大した。システム導入の総事業費は約20億円に上る。
拡大初日には、イコカに伊予鉄の定期券機能を追加できるサービス「iCONPASS(アイコンパス)」のチラシなどを松山市駅で配ってPRした。
これに伴い、2005年から発行してきた独自の「ICい~カード」は9月末で廃止する。乗車ポイントの還元など独自サービスで親しまれたが、担当者は「全国交通系とシステムが異なるため、それぞれの読み取り端末を設置しておくのは乗客にわかりにくく、コストも増加する」と説明している。
公共交通機関でキャッシュレス決済が使えない状況が長く続いてきた徳島県内でも動きがある。
かざせば「ピピッ」と改札を通れる交通系ICカードですが、地方にはまだ浸透していないエリアもあります。どの決済サービスに注力するのか、判断が分かれる交通事業者の現状を調べました。
徳島バス(徳島市)は今年度…