除染作業で出た土を一時的に保管する、福島県大熊町の中間貯蔵施設。奥は東京電力福島第一原発=2025年2月

 東京電力福島第一原発事故後に福島県内の除染で出た土(除染土)について、政府の関係閣僚会議は26日、2045年3月までに同県外で最終処分するための工程表をまとめた。除染土の再生利用の事例を全国の政府関連機関に広げ、民間へも拡大。30年ごろには処分候補地の選定開始をめざす。ただ、再生利用に対する国民理解の広がりや、事業の費用など不確定な要素は多い。

 福島第一原発を囲む中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)では約1410万立方メートルの除染土を保管する。政府は施設設置にあたり、地元に対して除染土の県外最終処分を約束。処分にまわす土の量を減らすため、放射性物質の濃度が1キロあたり8千ベクレル以下の土を公共事業などで使う方針としている。

 この日まとめた工程表では、再生利用に使える土は「資源」だと強調。今年7月に東京・永田町の首相官邸の庭に埋めた例に続き、霞が関の中央省庁でも9月から順次、花壇などに使う。今後5年間で、全国にある政府の出先機関や所管法人、民間企業が行う土地造成などにも再生利用先を広げることも盛り込んだ。

最終処分の費用は示されず… 識者「解決策、考える必要ある」

 県外での最終処分に向けては…

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