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「右とか左の対立軸はもう無理」チームみらいの立ち位置は

 小さな政党が、全国的な組織力をもつ大政党を揺るがす「多党化の時代」が幕を開けた。「戦後の終わりを意味する、想像を絶する事態」と政治学者はいう。SNS政治がもたらした多党化の政治システムはこれからどこへ向かうのか。

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登院し、自身の名前に手を添えるチームみらいの安野貴博氏=2025年8月1日午前8時37分、国会内、上田幸一撮影

 「二大政党制では選択の幅が狭すぎる」。チームみらいの安野貴博党首はこう語る。AI(人工知能)を活用したデジタル民主主義を訴える安野氏にとって「政治信条を右、左の一軸で表すのはもう無理。政党のポジションは、2次元、3次元、3軸目、4軸目があり複雑な形をしている」。

「1議席のみらい」最終回

​ 結党から2カ月半で国政の1議席を得たチームみらい。彼らの登場は政治の地殻変動を予感させます。記事後段では東京大学の牧原出教授がSNS政治と多党化の未来について分析します。

  • 【インタビュー】「勝算あった」73日で初議席 チームみらい安野氏が次に狙うものは

 右派か左派か、保守かリベラルか。こうした55年体制下の政治対立を経て、1990年代以降は非自民勢力において「政権交代可能な二大政党制」をめざす政界再編が繰り返されてきた。

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参院選比例得票の推移にみる多党化

 長く選挙の現場にかかわってきた選挙プランナーの松田馨さんが振り返る。

 「私が選挙の仕事を始めた2006年は、小沢一郎氏が民主党代表となり、首長選挙での自民・民主の『相乗り禁止』という方針を打ち出し、二大政党制に突き進んでいく年だった。07年参院選は『逆転の夏』を掲げた民主が大勝、09年の民主党政権の誕生につながった」

 12年衆院選では「振り子」…

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