政治倫理条例検討委員会に参考人として招致され、意見を述べる自民の小宮安里都議=2025年4月16日午後4時32分、都議会、松田果穂撮影

 政治倫理条例の制定に向けた東京都議会の検討委員会が16日に開かれ、都議会自民党で3年前に幹事長を務めた小宮安里都議が出席した。自民党の都議が政治資金パーティーの販売ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載していなかった問題について、少なくとも10年以上前から「不記載の慣例はあったと思う」と話した。

 検討委は都議会自民党の裏金問題を受けて発足。裏金づくりの経緯などを聞くため、不記載があった2019年と22年のパーティー開催時に幹事長だった小宮氏らを参考人として招致することが決まっていた。

 検討委で小宮氏は「私が(都議に)初当選した11年には、パーティー券の販売ノルマや不記載の慣例はあったと思う」と説明。「誰がいつ始めたのかはわからないが、問題点を認識せず継続してきた責任はいまの私たちにある」と謝罪した。

 幹事長としての関与については「指示はしていない」と否定。自身の不記載額250万円について委員から、収支報告書の収入の訂正はあったが、支出の訂正がないことについて問われると、「もともと記載していた政治活動の費用として使った」と述べるにとどめた。

 この日は専門家として、立命館大の駒林良則特任教授も出席。ほかの自治体での政治倫理条例の策定に携わった経験をふまえ、「住民からは、不祥事の解明とそれに対する制裁的措置が求められている。(条例は)実効性や透明性を担保する中身にすべきだ」と指摘した。

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