武見敬三厚生労働相=2024年4月12日、東京・永田町、藤谷和広撮影

 医師の地域偏在を解消するため、武見敬三厚生労働相が、地域ごとに医師数を割り当てる規制も視野に、厚労省内に検討を指示した。実現すれば政策の大転換だが、厚労省幹部は「寝耳に水」と驚く。開業医らでつくる日本医師会(日医)の反発も見込まれ、武見氏の本気度に注目が集まっている。

 規制導入の考えは、7日に放送されたNHKの「日曜討論」で突如、飛び出した。

 「今までもいろんな試行錯誤をしてきた」と切り出した武見氏。「医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことを、我が国もやらなければならない段階に入ってきた」と語気を強めた。

 武見氏がここで触れたのは、地域ごとに医師数を決めて割り当てる手法だった。

 番組では、すぐさま日医の横倉義武名誉会長が反論した。「割り当てをするとなると、相当抵抗がある。強制じゃないやり方を考えていただきたい」

幹部驚き「大臣の頭の中、さっぱりわからない」

 医師の偏在解消のために規制を求める声は以前からあった。だが、職業選択や居住地の自由は憲法で保障され、日本では自由に開業できることが原則だ。

 だからこそ、武見氏の発言は…

共有
Exit mobile version