逮捕され、留置場で一夜を明かした50代男性が翌朝、着ていたTシャツを没収された。胸元に「私は取調べを拒否します」と書かれているのが理由という。その対応は、黙秘権や表現の自由の侵害にあたるのか。近く訴訟が起こされる。
男性は昨年12月、高齢の母親を自宅に放置したとして保護責任者遺棄致死の疑いで大阪府警に逮捕され、羽曳野署に勾留された。弁護人になった松本亜土弁護士が接見すると、すでに容疑を認める供述が記録されていた。
ただ「逮捕直後で混乱し、話すと記憶があいまいな状態だった」。このまま取り調べを受ければ「意に反する調書を作られるかもしれない」と考え、黙秘をすすめた。同時に届けたのが、「取り調べ拒否」をうたったTシャツだった。
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