国内に現存する最古の芝居小屋とされる香川県琴平町の「旧金毘羅大芝居」(金丸座)で、来春に開かれる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の出演者と演目が25日、発表された。映画やテレビドラマでも活躍する中村獅童さんのほか、獅童さんの長男・陽喜(はるき)さんと次男・夏幹(なつき)さんが初出演する。
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公演は4月4~20日の17日間、32公演(10日は休演)。
各日午前11時からの第1部は、剣の達人である青年・六助が許婚(いいなずけ)のお園と出会い、師匠の敵討ちを決意するまでを描く義太夫狂言の名作「毛谷村」と、人情の機微を描く世話物「魚屋宗五郎」。
午後3時半からの第2部は、起伏に富んだ舞踊劇「蜘蛛の拍子舞」と、正直者の久六と粗暴な半次によるコミカルでテンポの良いやりとりが笑いを誘う喜劇「らくだ」の計4演目。
コロナ禍や耐震補強工事の影響で公演の見送りが続いていたが、5年ぶりに開催された今春のこんぴら歌舞伎には17日間32公演で約2万3千人の歌舞伎ファンらが訪れた。この日の会見で、片岡英樹町長は「長かったコロナ禍を乗り越え、多くの方々の期待に応えられた。こんぴら歌舞伎はここにしかない唯一無二の舞台。江戸の歌舞伎の世界を多くの方に堪能してもらいたい」と語った。
観劇料はA席1万6千円、B席1万2千円、特別席2万円(いずれも税込み)。
宿泊などがセットになった入場券は12月2日から、特製弁当や記念品が付く観劇セットは来年1月9日からそれぞれ発売する。全国のJTBやJR四国で受け付ける。入場券のみの販売は来年2月15日~3月30日、松竹のサイトなどで。
また今回初めて、琴平町のふるさと納税の返礼品として、こんぴら歌舞伎の入場券を用意する予定だ。
問い合わせは「四国こんぴら歌舞伎」事務局(0877・75・6714)。(和田翔太)