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 参院選の大敗後、自民党内でやまない「石破おろし」。山場とされた党両院議員総会が8日に開かれたが、この日も結論を導けなかった。引責辞任論と向き合わない石破茂首相と、国民不在の権力闘争に明け暮れる反石破派。長期化する政争劇は、さらなる政治不信を招きかねない。

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自民党の両院議員総会を終え、取材に応じる石破茂首相=2025年8月8日午後5時20分、首相官邸、上田幸一撮影

 「関税交渉、農業政策、防災をどうするか。引き続き日本国に責任を持っていく」。両院議員総会の冒頭、首相は課題を並べ立て、続投する自身の正当性を主張した。

 この日の総会は、「石破おろし」に力を込める反石破派の求めに応じる形で開かれた。自民の衆参計297人のうち、8割以上の253人が出席し、冒頭を除いて非公開で行われた。

 複数の出席者によると、攻勢を強めたのは反石破派だった。青山繁晴参院議員は「総理は辞めるべきだ」と要求。旧安倍派若手も「地元では新総裁にすべきだとの声が多い」と指摘した。首相が政策遂行の必要性に触れると「いつまでやるつもりなんだ」とヤジが飛ぶ場面もあったという。

 そのうえで、反石破派は「秘策」としてきた党総裁選の前倒しの要求に踏み切った。党則は、所属国会議員と都道府県連の過半数が必要と定めるが、両院議員総会の開催を迫ろうと3分の1の署名を集めた経験から「過半数は難しくない」(党若手)との考えがあるためだ。

 一方、執行部や現職閣僚を軸…

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