夢洲から
大阪・関西万博のブラジル館が、無料で配っている「パランゴロモス」が人気だ。
ポンチョ風の羽織で、ブラジルのマント「パランゴレ」と日本の「羽衣」を融合させたという。
花や鳥、昆虫などが描かれた12種類があり、どれも黄や紫、緑などカラフルなデザイン。頭からすっぽりかぶれば、気分はカーニバルだ。
対話や多様性の尊重を掲げるブラジル館によると、パランゴレを創作したブラジルの芸術家は、人が「作品と一体化し、観客、芸術、芸術家の間の障壁を打ち破る」との思いを込めたという。
私も、緑が基調で白黒の水玉模様が施された1枚をまとい、「作品となって」会場内を歩いた。
何人かに「どこで手に入れたんですか」と声をかけられ、そこから「どこのパビリオンが楽しかったですか」「おすすめの場所は」と会話が広がっていった。
確かに、道行く人との壁が取り払われた感覚。果たして「パランゴロモスを羽織った万博記者」との対話を、楽しんでもらえただろうか……。
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世界中の人々が集まり、連日多彩なイベントが開かれる大阪・関西万博。会場の夢洲(ゆめしま)で取材に駆け回る記者たちが、日々のできごとや感じた悲喜こもごもを伝えます。