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東大で史上初めて女性の主務に就任した奥畑ひかりさん

 日本の学生野球を牽引(けんいん)してきた東京六大学野球連盟が今年、創設100年を迎える。節目を待つように、東大の野球部では初の女性主務(チーフマネジャー)が誕生した。

 国の登録有形文化財になっている東京都文京区の東大球場。観客席下部にある部屋が、野球部の裏方トップを担う新4年生、奥畑ひかりさん(21)の「仕事場」だ。

 机はパソコンや資料でいっぱいだった。「高校野球と違って、マネジャーはグラウンドにあまり入らず、逆にグラウンド外のことをほとんど全てやっています」

 奥畑さんは昨秋のリーグ戦が終わったタイミングで、1919年創部の東大史上初めて、女性の主務に就任した。10人のマネジャーを束ね、練習試合の調整やスケジュール管理、会計や広報など、グラウンド外の業務の最終的な責任を負う。

「女性だとやりにくい」 部内で反対意見も

 和歌山県出身。両親の影響で幼い頃から甲子園球場を何度も訪れ、野球好きになった。母校は県内屈指の進学校である智弁和歌山中・高。高校は、今年の選抜大会でも準優勝した強豪だ。ただ、野球部は推薦入学者しか活動に関われない決まりがあり、スタンドから応援することしかできなかった。

 大学野球の存在を意識したの…

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