Smiley face
ホーチミン市の街並み=2020年7月、宋光祐撮影

 ベトナム南部ホーチミン市の路上で4日、30代の日本人男性が刺殺される事件があり、逮捕された20代の男が「外国人の元上司に似ていたから刺した」と供述していることがわかった。前の職場の上司を恨み、外国人に敵意を抱いていたという。被害男性との間に面識はなかった。

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 事件は4日午後、市中心部の外国人の多いエリアで起きた。近くには日系のホテルや飲食店が立ち並ぶ「日本人街」もある。

 公安当局が8日に明らかにした内容によると、ベトナム人のフン・ミン・チュン容疑者は調べに対し、殺害を認めて動機を説明した。

 当局によると、チュン容疑者は以前に勤めていた会社で、外国人の上司から何度も叱責(しっせき)され、憎しみを募らせて会社を辞めたとの供述をしているという。その後、刃物を購入して持ち歩き、外国人に危害を加える機会をうかがっていた。

 4日午後、繁華街を歩いていたところ、被害男性を含む日本人の2人組をたまたま見かけ、そのうちの1人が元上司に似ていたことから2人に近づき、口論の末、胸を刺したという。

 被害男性はすぐに病院に運ばれた後、死亡が確認された。公安当局は、防犯カメラの映像や目撃者の話からチュン容疑者を割り出し、同日中に逮捕した。

 一方、供述には一部に矛盾する内容もあるといい、公安当局が慎重に経緯を調べている。(バンコク=大部俊哉)

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