引退記者会見で騎手人生を振り返る的場文男騎手

 地方競馬通算7424勝の歴代最多記録を持ち、3月31日付での引退を発表した東京・大井競馬の的場文男騎手(68)が17日、大井競馬場で会見に臨み、「もう本当に精いっぱい、自分でも出来すぎたと言うぐらいできた。騎手にもう未練はない」と語った。

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 福岡県出身。1973年10月に初騎乗し、現役生活は51年を超えた。大井競馬の年間最多勝に輝くこと21度、全国でも2度。重賞154勝と圧倒的な成績を挙げ、「大井の帝王」の異名を取った。

 還暦を迎えてからも騎手を続けられたのは、佐々木竹見・元騎手が持っていた当時の最多勝記録(7151勝)の存在だったという。

 「5千勝ぐらいまではね、(記録の塗り替えは)できないと思ったんですけど、6千勝で『うーん…』っていう感じで。7千勝でね、目が覚めました。ここまで来たんだから、もう日本一に向けてがんばりました」

引退記者会見に臨んだ的場文男騎手

 2018年8月、61歳で歴代最多勝を達成すると、23年3月には前人未到の7400勝に到達。最多勝利の他に、最多騎乗、最年長の勝利・騎乗記録を更新し続けた。

 昨年2月にひざを負傷。7月には一度復帰を果たしたものの、ゲートからのスタート動作で思うように体が使えず、「これはダメだな。騎手はやっていけない」と限界を悟ったという。4万3497戦目。結果的に、それが最後の騎乗となった。

 騎手人生に点数をつけるとしたら、と報道陣に問われると、「100点をつけたいところですけど、ちょっとミスもありましたので、90点ぐらいにしておきます」。引退後については、「大井競馬場を応援していきたい。一般人になるわけですが、スタンドにも来て応援したいと思っています」と話した。

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