第65次南極地域観測隊の越冬隊員として活動した奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)人事課職員、山岡麻奈美さん(31)が17日、同大学で報道関係者に体験談を語った。厳しい環境下での業務は隊員同士の協力が不可欠だとして、「大切なのは仲間との会話だった」という。
山岡さんは、塩崎一裕学長と対談する形で語った。越冬隊員27人の一人として2023年11月24日に日本を出発。同年12月20日から1年あまりを南極で過ごし、今年2月25日に帰国した。
現地では庶務や広報、輸送などを担当。業務のほかにも除雪やごみ処理、インフラ整備など暮らしにかかわるすべてを自分たちでこなした。仕事に熱中するあまり、指先が軽い凍傷になったこともあった。
極寒では何をするにも隊員間の協力が必要だったといい、「レクリエーションなどの際に会話をして、コミュニケーションを大切にしました」。
奈良先端大の職場に復帰し、越冬隊での経験をどう生かすか問われた山岡さんは、「組織全体のなかで、自分はどういう役割を果たせばよいかということを考えていきたい」と答えた。
また、未来を担う子どもたちに伝えたいこととして、「どんなことでも、やってみないとわからない。まず挑戦してほしい」と笑顔を見せた。