北海道の中央に位置する人口約8千人の東川町で、「写真甲子園」が7月29日から8月1日まで開催された。地元住民にも支えられる、高校写真部の日本一を決める大会だ。
第32回全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園」は全国518校から「予選」を勝ち抜いた18校が参加。
- 地元と交流しながら撮影 北海道東川町の写真甲子園
「本戦」では、機材や撮影地をそろえて、同一条件下で3人1組で競う。撮影後のトリミングや画像補正はできない。撮影技術に加えてプレゼンやチームワークも重視される。
事前に設定されたテーマに沿った審査が2回あり、それぞれ8枚組みの作品を提出する。東川町に加えて、周辺の美瑛町、上富良野町、東神楽町が撮影の舞台になった。
最初の公開審査で、審査員で美瑛町在住の写真家・中西敏貴さんは、愛媛県立新居浜工業高校が撮影した、赤い屋根が印象的な1枚を激賞した。「うちの近所なんで、ほぼ毎日見ているんだけど。いいなと思ったことは無い。(撮影した選手は)天才かも」。審査する側の写真家も、常に高校生の視点に教えられるという。「写真家としての知識が増えるにつれて、見えなくなるものもある。自由な発想や感覚には毎回、驚きしかない」。中西さんの作品にも、ここで得た新たな視点がフィードバックされているという。
審査方法は今年、大きく変更された。これまでは、1回目の審査では1校につき2人の審査員だけが講評していた。今回から審査員全員が講評し、選手が様々な意見を聞けるようにした。代表審査委員の野村恵子さんは「審査を通じて、本人たちが持っている独自の良い点を気づかせてあげられれば」と話す。
優勝は「町がざわざわする写真」
優勝した中越高校(新潟県)…