日本郵便は11日、近畿支社管内で調査対象とした郵便局の8割で、郵便物などの配送車の運転手に対する法定の点呼が適切に行われていなかったことを明らかにした。点呼はどう行われ、なぜ重要なのか。
国土交通省は、貨物事業者による点呼を「安全輸送の要」と位置づけている。
トラックやバイクを使って有償で顧客の荷物を運ぶ事業者は、貨物自動車運送事業法の省令で、安全確保のために様々な義務が課せられている。運転手に対する点呼もその一つだ。
点呼は運転する前後に、原則対面で義務づけられている。運転前の点検項目は主に、健康状態▽飲酒の有無▽薬の服用状況▽睡眠不足――など。運転手の歩き方や顔色、言葉遣いなどを観察することが必要だ。日をまたぐような長距離トラックの場合は、業務途中にも電話などで飲酒の有無や疲労の状況などを確認する必要がある。
乗務後にも飲酒の有無や運行状況などを確認する。国交省幹部の一人は、点呼を「運転手本人が気づかない異常を察知できる最後のとりで」と話す。不適切な点呼が常態化すれば、安全意識が低下し、事故につながる恐れもあると指摘する。
死亡事故につながる事例も
ただ、点呼が行われていない…