葬儀の料金をめぐるトラブルが多発している。「安価なお葬式」をうたう広告につられて申し込むと、実際には想定外の高い料金を請求されるケースが多く、国民生活センターに寄せられた相談件数は昨年度、過去最多を更新した。「宣伝価格」の4倍以上の料金を提示されたという遺族を取材した。
埼玉県の女性(60)は今年2月に父を亡くし、喪主として葬儀を執り行うことになった。
ネット検索で上位に出てくる東京都内の葬儀業者のサイトを見ると、「家族葬 50万円~」と宣伝していた。
コールセンターに電話すると、すぐに病院に寝台車が手配され、父の遺体は冷暗施設に搬送された。火葬場が併設された居住地の市営斎場が予約され、7日後に葬儀を行うことになった。
ほどなく営業担当者から見積もりを渡され、驚いた。葬儀の総額は、サイト上の「50万円~」からは想像もつかない約224万円だったからだ。
まず、「基本プラン(一日葬) 56万円」とあった。そこには祭壇や棺(ひつぎ)といった葬具のほか、運営スタッフ、寝台車など30近い項目が列挙され、それだけで葬儀が完了するプランのように見えた。
身内の不幸のバタバタにつけ込み、広告よりはるかに高い葬儀プランを提示される「ぼったくり広告商法」が横行しています。記事後半では、いざという時に後悔しないための注意点を専門家がアドバイスします
ところが見積もりでは、葬具…