就職氷河期世代へのサポート窓口=2020年、滋賀県草津市

 バブル崩壊後の就職難だった1993~2004年ごろに大学などを卒業した世代は「就職氷河期世代」と呼ばれます。新卒時に正社員に就けず、非正規雇用など不安定な働き方になった人も多いこの世代はいま40~50代。1700万人~2千万人いるとされ、3日に公示された参院選でも、主要政党の公約に対策が盛り込まれました。「就職氷河期世代」の著書がある東京大学社会科学研究所の近藤絢子教授は「困っているのは就職氷河期世代だけではない」といいます。背景や政策面の課題などを聞きました。

 ――就職氷河期世代について、政府は19年度からの支援プログラムで非正規の氷河期世代の正社員化などを進めてきました。これまでの対策をどうみますか。

 「就労支援のところに限って言えば、求職と求人をマッチングするハローワークでは正社員化に向けてできることをやってきた。19年からの支援は人手不足感が強まり、氷河期世代の人たちを何とか労働力として活用したいという企業側のニーズもあったのだろう。だが、就労支援だけでは解決できない問題がある」

「困っているのは氷河期世代だけではない」

 ――具体的にどういうことでしょうか。

 「働いてはいるものの、経済…

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