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首相官邸に入る岸田文雄首相(中央)=2024年8月5日午前9時16分、岩下毅撮影

 5日の過去最大の株価下落は、経済政策をアピールしてきた岸田政権にも冷や水を浴びせた。NISA(少額投資非課税制度)の拡充など「貯蓄から投資へ」の旗を振ってきたため、株安は政権批判につながりかねない。自民党総裁選を間近に控えた党内からも「政権のストロングポイントが消えた」との声が上がり、岸田文雄首相の再選戦略にさらなる暗雲が立ちこめる。

 日経平均株価が前週末の終値より4451円28銭(12.40%)の下落となった取引終了後、林芳正官房長官は首相官邸で記者団の取材に応じ「株価の日々の動向にコメントすることは控えるが、政府としては冷静に判断をしていくことが重要だと考えている。引き続き、経済財政運営に万全を期して参りたい」と語った。

 政府内には、今回の大幅な株安は米国の景気減速懸念を受けたものだとして冷静に受け止めようとする向きが強い。首相周辺は「今の市場はパニック売りだ。日本経済は底堅いので大きな心配はしていない」との見方を示す。ただ、株安が続けば、企業の設備投資や個人消費といった実体経済にも影響が出かねず、政権幹部は「相当警戒しないといけない水準にあるのは間違いない」と懸念する。

 自民党の裏金問題や旧統一教…

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